高大接続改革について(前編)

2017-08-31 18:18


 

「高大接続」という言葉をご存じでしょうか。高校教育の現場で今、大きな話題になっている動きです。塾での指導にも影響を与えるこの改革について、今回は改革の背景などを中心にご紹介します。
 

改革の目的は?

 

「高大」とは高校と大学のことで、現行の日本の教育制度では、高校と大学は別の教育機関になっています。しかし、いずれ社会人になるための教育である点で、高校も大学も、さらにいえば義務教育も同じ目的を持っているはずです。しかし現状は、受験においては知識重視、社会人になってはじめて世の中で生きていくための能力を身につけるようになっています。
 

このような意識から、学校教育の現場から社会で役に立つ能力を育てようと、教育のすべての段階で改革が進んでいます。「教えてもらう」のではなく「自ら学ぶ」アクティブラーニングの導入、課題を自ら見つけ、分析して判断する問題解決能力の涵養、表現力を育むプログラムなど、「生きる力」を総合的に養う、さまざまな取り組みが行われています。
 

このような中、各教育機関の連携が求められるようになりました。義務教育では小学校と中学校との連携が、高校は大学との連携が問題となります。
 

アメリカの教育制度との違い


 

このような改革が行われる背景には、アメリカの教育制度の影響もあるようです。
 

アメリカの高校には、大学の授業を高校過程で受けることができる制度(AP:Advanced Placement)があります。大学の一般教養過程の授業と認定試験を高校時代に受けることができ、もらった成績は大学入試時に選考要素となり、入学後は単位として認定してもらえるというシステムです。このようにアメリカでは、高校と大学の教育システムが連携しており、高大の教育について教育関係者が集まる専門機関(NACAC)もあります。
 

アメリカでは、高校は大学で専門的な勉強をするための準備期間であるという考え方があり、APの主な目的は、高校で授業を前倒しし、大学での教育を効率的に行うことにあります。成績がよい場合は、出願に有利になりますし、入学後に飛び級をすることも可能であるため、有名校受験を目指す多くの高校生が受講・受験しています。
 

気になるのは大学入試との関連

 

2015年に文部科学省から発表された「高大接続改革実行プラン」によると、高大接続のポイントは次の4つです。
 

・ 各大学の個別選抜の改革
・「高等学校基礎学力テスト(仮称)」及び「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の実施
・高等学校教育の改革
・大学教育の改革
 

参考:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo12/sonota/__icsFiles/afieldfile/2015/01/23/1354545.pdf


 
高大接続については、大学制度の改革一つの大きなポイントになっています。大学入試制度については、センター試験が廃止され、2020年度(2021年1月の試験)からは「大学入学共通テスト(共通テスト)」が行われることが決まっています。この試験を受けることになるのは、2017年現在、中学3年生の生徒たちです。試験はこれまでのセンター試験と同じく、毎年1月中旬に2日間にわたって、30科目が行われます(2024年度以降は、科目数減少の予定)。
 

共通テストの特徴は、記述式問題(80~120字・3問程度の予定)が出題される点と、英語は読む・聞く・話す・書くの4技能がテストされる点です。英語については早期に外部検定試験の導入が予定されています。これらは一連の教育制度改革に応じた変更であり、従来のセンター試験のような知識偏重の問題から、思考力や表現力を見る問題が増えるといわれています。
 

こうした変更に、高校がどう対応すればいいのか、どんな受験指導をすればよいのかといった点が今後課題になるでしょう。
 

まとめ

高大接続は、受験生や学校・塾の先生に大きな影響を与えることが予想されます。次回は、高大接続改革で具体的にどのようなことが想定されているのかについてご紹介したいと思います。
 

 

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