【2032年度】高校国語が大きく変わる!
次期学習指導要領で「小説重視」へ回帰する背景とこれからの学び
今回は、保護者様や中高生の皆さんにぜひ知っておいていただきたい「高校国語の大きな変化」についてお話しします。ニュースなどでも話題になっていますが、2032年度から導入予定の次期学習指導要領において、高校の国語が「小説重視」へと再び舵を切ることが文部科学省の案で明らかになりました。
■ 現在の「論理国語」への偏りと「文学離れ」
2022年度から始まった現行のカリキュラムでは、国語の選択科目が実用的な文章や評論文を学ぶ「論理国語」と、小説などを学ぶ「文学国語」に分けられました。国際的な学力調査(PISA)で課題となった日本の読解力低下を解決するために、実社会で使える論理的な言語能力を高めることが高校国語の基本戦略となり、実用的な文章というのが大学入試や高校入試の共通のキーワードとして全国の入試問題に多く取り入れられていきました。
その結果、高校生にとっても大学入試(とくに共通テストや二次試験の現代文)への対応を優先するあまり、約8割の生徒が「論理国語」を選択し、「文学国語」の履修率は約5割にとどまりました。とくに理系の生徒が『羅生門』や『こころ』といった文学作品に授業で触れる機会が激減し、教育現場では「文学離れ」が強く懸念されていました。
■ 2032年度からはどう変わる?
こうした偏りを見直すため、わずか10年という異例の早さで科目が再編されます。2032年度からの新学習指導要領案では「論理国語」「文学国語」といった区分が廃止され、新たな選択科目として「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」が新設される予定です。これにより、文系・理系や進路を問わず、多くの生徒が評論も小説もバランスよく学べるカリキュラムに刷新されます。
■ 小説重視の流れが意味するものとは?(AI時代に求められる力)
では、なぜ今ふたたび教育現場に「小説」が求められているのでしょうか。 その最大の理由は、「AI(人工知能)の発展とSNSの普及」にあります。
情報を論理的に整理したり、実用的な文章を作成したりすることは、すでに生成AIが瞬時に行える時代になりました。そんなAI時代において、これからの子どもたちに強く求められるのは、他者の痛みに深く共感する力、複雑な感情を想像する力、そして言葉の微細なニュアンスを読み取る「人間ならではの感性」です。
小説を通して多様な人生や価値観に触れることは、単なるテスト対策の枠を超え、世界との向き合い方を豊かにしてくれます。複数の解釈ができる文学作品を想像力と論理力で読み解き、自らの考えを表現して他者と対話する力が、これからの予測困難な社会を生き抜く強力な武器になるのです。そのための言葉や表現の知識といった語彙力も小説によって培われる部分です。
AIにはない、人間ならではの感性を磨いていく。そういったことが示された、2032年度の学習指導要領でした。
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東セミでは「真の読解力」や「豊かな感性」を育む本質的な国語指導をこれからも大切にしていきます。
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